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また、恋してくれますか。

第18章 〜輪廻〜


階段をゆっくり上がりながら桜奈は
思い出したかのように

『あっ!分かりました。家康さんの
自覚のない家康さん』と言うと
『凄く、意地悪な時があります!』
と、さっき詰め寄られた問いに
得意げに答えを返したが

『・・残念、それ、わざとやってるから
自覚してる。俺の知ってる俺だから・・』と
家康に返された。

『わざと?わざと意地悪してたんですか?
感じ悪過ぎますけど!』と、怒る桜奈に

力なく『ハハハ・・・』と笑うと
『なんでだろう・・・桜奈の怒った顔
見たくなる・・笑っ・てる顔・・も・・』
(あれ?・・俺・・何言って・んだ・・)

熱のせいで、ボッーとし思考力が
落ちている家康は、思っていることが
勝手に口から零れ出てしまった。

家康の言葉に、一瞬ドキッとする桜奈
だったが
(それって、どう言うこと?
揶揄いがいがあって、面白がられてるって
ことでいいのか?たぶん、そういう意味だよね)
と、いつものことだと流し

『いつも、そうやって揶揄われて
遊ばれてるんですねー私・・はっー。

でも、今は偉そうでもなんでも
言うこと聞いてもらいますからね!
熱出したのは私のせいだし・・・
私も看病してもらいましたから
覚悟して、看病されて下さいね!』

『何それ?看病されるのに・・覚悟がいるの?
超怖いん・・ですけど』とふっと笑う家康。

『もう!ほんと、減らず口ですね!
素直じゃないとこも、自覚あります?』

『残念・・それも、自覚してる。
俺、天邪・・鬼だから・・』

弱っている状態ですら、悉く言い返される
桜奈。
それでも、不思議と嬉しく、家康らしいと
安心する自分がいた。
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