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また、恋してくれますか。

第18章 〜輪廻〜


もともとは自分が傘を忘れ
ずぶ濡れにさせてしまった挙句
ろくに寝ないで看病してくれたことで
体力が削られ、疲れていたはず。

それなのに、今日も暑い最中を
お見舞いに付き合わせ、更には
ずっと自分の体調を気遣ってくれた。

きっと、体調は少しずつ悪かったはずなのに
気づけないまま無理をさせてしまったのだと
申し訳ない気持ちになる桜奈。

意地悪な事を時々言って、揶揄いも
するけれど、この人はこんなにも優しい人だと
そう言う人なんだと、改めて家康の優しさを
実感する桜奈だった。

初めて好きになった人が
家康で良かった。例え、叶わない恋でも
家康と出会えて良かった。
いつしか、そう思えるようになっていた。

部屋に入り、倒れ込むようにベッドに
横たわった家康。

お布団をかけ『じゃ、体温計とか
風邪薬とか持ってきますね』と
立ち上がり、身を翻そうとすると
パッと手を掴まれた。

不意に掴まれた手に驚き
『えっ?』と言いながら振り返ったが

家康は、反対側の腕で顔を隠す
ようにしながら
『ちょっと・・気持ち悪くて・・吐くかも
知れないから、落ち着くまで・・いて』
と、桜奈を引き止めた。

『えっ!あっ!』とあたふたしながら
近くにあったゴミ箱を引き寄せ
吐いてもいいように
スタンバイする桜奈。
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