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また、恋してくれますか。

第18章 〜輪廻〜


『偶然じゃなくて、必然・・・』
(じゃ、私と先生も出会うべくして
出会ったってこと?こんな顛末なのに?)
どこか、納得のいかない詩織。

『そう。おばあちゃんはそう思うわ。
もちろん、縁にも色んな種類がある
じゃない?良縁、悪縁・・くされ縁とも言うわね
それから、悲しい逆縁とか、他にもいっぱい
あると思う。でも、人との縁にはそう言う
見えない意味がある気がするの。
だから、好きな人もいれば、好きになれない
人もいる。きっとどんなご縁で会ったかで
感じるものも違うんじゃないかしら?』

『そうなの・・かな・・・?』

『でもね、大事なのはどんなご縁で
出会ったとしても、出会った方々は
間違いなく、自分に何かを気づかせ
考えさせ、人として自分を成長させてくれる
贈り物を携えて会いに来てくれた人達よ。

だから、好きでも嫌いでも、自分には
必要だからご縁が結ばれて、出会うのよ。
それで、ちゃんと必要な贈り物を受け取ったら
ご縁の形は変わって行くわ。
そう思うと、人との出会いは本当に
不思議だなって思ってね』とふふふと
何かを思い出すようにして笑う祖母。

長い人生を生きてきた、祖母の生き方の
矜持とも言える。

この先、長い人生を生きて行けば
隣で優しく微笑む祖母のような
女性になれるのだろうか?
詩織は、祖母の考え方やものの見方を
人として、とても尊敬していた。
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