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また、恋してくれますか。

第18章 〜輪廻〜


自分のことで、いっぱいいっぱいだった
詩織は、祖母の温かさに触れ
やっと、いつもの詩織に戻りつつあった。

『そう言えば、おばあちゃん検査の結果は
どうだったの?』と尋ねる詩織。

『大丈夫よ。でも、ほら歳が歳だから
心臓が疲れて、時々さぼりがちなんですって。
でも、お薬を飲んでれば、問題なく
まだ、働いてくれるみたいだから』と
優しく微笑むと

『詩織の花嫁姿を見るまでは
しぶとく生きるわよ!なんならひ孫まで
見れたら言うことないわね。』と
クスクスと笑った。

『嫁の貰い手ないかもよ?』と
冗談を言う詩織に

『そんなことないわよ。だってこれから
じゃない?色んな人との出会いは
この先の方がずっと多いんだもの。
ご縁は、ちゃんとあるものよ。
自分の気持ちに素直でさえいれば
ご縁は、ちゃんと働いてくれる。
でも、自分の気持ちを偽ると
ご縁の力は、弱まって切れてしまう。
出会うまでは他力の力。
出会ってからは、自力の力も大事だと
おばあちゃんは思ってる。』

『他力?』と詩織は聞いたことはあっても
人任せってことかと思い、意味が
掴めず、呟いた。

『他力って言うのは、自分の力以外の
力のことよ。人様の力だけじゃなく
自分の力以外全て。詩織がおばあちゃんの
孫として生まれてきてくれたのは、ご縁が
あってのこと。誰かとの出会いは、そんな
風に見えない他の力のお膳立てがあって
こその偶然。でも、おばあちゃんは
偶然なんてないと思ってるの。
みんな、出会うべくして出会ってるって
思うの』
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