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また、恋してくれますか。

第1章 〜幸せだった?〜


『では、この勝負、私が勝ちましたゆえ
家康様に謹んでお願い申し上げます。

どうか、ご側室を持たれて、お世継ぎを
もうけて頂きたいのです』そう言うと
頭を擦りつけるように、深々と頭を下げた。

『はっ?突然、何を!俺は、桜奈
以外いらない。桜奈だけ側にいればいい
前から、何度もそう言ってるよね?』

『そのお気持ちが、桜奈の救いです。
けれど、どうしても、お世継ぎをもうけ
徳川家を後世へと繋いで行って
頂かなければなりません。

でなければ、幼き頃より痛ましいほど
傷つき苦しんでまでお家を守ってきた
ことに意味が無くなってしまいます。

この願いがどれほど家康様を
傷つけ苦しめることか分かっております。
分かった上で、非情と知りながら
お願いしているのです。

全ては、徳川家の為。こののち、信長様と
成し遂げる泰平の世の為。

私のように戦で全てを失うものが出ないように
栞さんの生まれた世に繋がっていくように。

どうか、桜奈のこの願いをお聞き届け
下さいませ、お願いでございます。』

そう言って、また深々と頭を下げる桜奈。
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