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また、恋してくれますか。

第1章 〜幸せだった?〜


『もう、いい!そんな話聞きたくない
そんな願い聞き届けられるわけないだろ!
何、バカなこと言ってんの?本気で怒るよ!』

『お聞き届け頂けないなら
せめて私と離縁してくださいませ。

このまま家康様の支えにも徳川家の支えに
もなれず、何の役にも立てないままなら

例え、家康様や家臣の皆様が許して下さった
としても、私は、家康様の妻でいる
自分を許すことはできません。

妻になった事を申し訳なかったと
私が家康様の妻でなければ、お世継ぎをもうけ

家康様の血筋が徳川家が代々後世に
続いたはず。私が妻にならなければと。

そうやって、ずっと自分に責めを課し
悔いて生涯を終えることになります。

家康様が桜奈を想って下されば
下さるほど、自分を許せなくなりましょう。

私にとりその責め苦は
家康様のお側を離れるより辛き事なのです。

ですから、ずっと家康様のお側にいたい
桜奈を救うと思って、桜奈の願いを
お聞き届け下さい、お願いでございます。』

そう言って、畳に頭をつけて桜奈は泣いた。

(今度は、破談じゃなく、離縁かよ・・
でも桜奈のことだから絶対曲げないし

俺が、拒んでもきっと家を出て行くよな・・
もう、決めてるんだろうな・・・でもさ)
『はっー』と深いため息をつく家康。

桜奈の顔を上げて
頬を両手で包みこむと家康は
ムッとした顔で、桜奈を見つめ

『桜奈狡い。離縁なんて言われたら
俺に選択の余地ないでしょ。

しかも、一度言い出したら、信長様でも
止められないのに・・桜奈の頑固者!

本当にいいの?俺が、別の女と肌を重ねる
ってことだよ』と、家康は、腹立ち紛れに
意地悪く言って、八つ当たりした。
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