第2章 シャボンディ
「魚人島からやって来た!!!"人魚"のォ ケイミー!!!」
司会が今日一番の声量で商品の紹介をした。それに合わせ観客の反応も大きくなる。
「人魚って本当に居るんだ…かわいいね。」
「所詮魚だろ。」
「うっ、酷い。」
何で人魚に対して"所詮魚"とか言えるのかがわからない。
そんな話をすると下品で耳障りな声が響いた。
「5億で買うえ〜!!!5億B〜〜!!!」
しーんと静まり返る会場。
相手が悪いと踏んで何も言えなくなったんだろう。
司会が確認するがそれ以上は出ず、見事落札してしまった。
「まるでこの世の縮図…とんだ茶番ね。」
「帰るのか?」
「まだ。ユースタスも帰るみたいだから少し後に帰ろうかな。」
後ろを振り向くとユースタス・"キャプテン"キッドの姿、そして"麦わらの一味"船長は不在。
例の人魚が関わっているのだろう。
「ああああああ!!!」
得体のしれない叫び声。
「ぎゃああああ〜!!!」
外に出ようとしていたユースタスも足を止める。
「何だァ‼?」
おそらく、素で反応する司会者。
「ルフィ!!!」
男の声でローも後ろを振り向く。
「?ヤバイんじゃ…」
「えぇ。」
ライが怯えたように肩を叩いてくる。
麦わらの一味は民間への被害は少ないが海軍に喧嘩を売るのが好きらしい。
今回は特に危ないだろう。