第4章 イマ
船に乗ってから3週間。
下船の許可が降りた。
「離したくねェ…」
「珍しいね?」
「ずっと居たんだ。当たり前だろ。」
「ふふ…まぁ、あたしも寂しいけどね。」
荷造りをしていると背中にトラファルガーが被さってきた。
「トラファルガーのおかげで治ったよ。本当にありがとう。」
「別に…。一つ命令だ。治療代はそれでチャラにしてやる。」
「どうぞなんなりと。」
金のないあたしからしたらそんなの従わないわけがない。
「ロー。名前で呼べ。トラファルガーじゃ長いだろ。」
「?そんなんでいいの?」
なんだ、もっとえげつないやつ想像してた。
食料寄越せとか、クルー1人寄越せとか…
「ロー…これでいいの?」
「あァ、ずっとだ。」
「ふふ…はいはい。」
ローが心なしか嬉しそうにしている。
「かわいい…」
「何か言ったか?」
「いえ別に。」
つい本音がでてしまい、ドスの効いた声を出すローは怖い。