第4章 イマ
「…長いっ…」
「キスくらい練習しろ。」
「誰としろっていうの…?あ、ペンギンくんにしようかなぁ?」
わざとらしく嫌味をこめて言いながらベッドから立ち上がろうとするとトラファルガーに勢いよく戻された。
あの、一応怪我人なんですが?
「おれで練習すればいいだろ。」
「ふふっ…強引ですね。」
「お前にはこれくらいしないと伝わらねェ。」
「よくご存知で。」
ふぅ、と一つトラファルガーがため息をつき時計を確認した。
「もうすぐ夕飯だ。行くぞ。」
「はーい。」
差し出された手をとり、ベッドを降りる。
ドアを開けようとしたら3、4人の足音が遠ざかっていったのは気のせいだと信じよう。
「あいつら…聞いてたな。」
「あ…あはは。」
気のせいじゃなかったようです。