• テキストサイズ

【銀魂】化けやかし

第3章 正体









「...ぇ、何が? これで何が分かったの?」





困惑してる銀時に対して、私は無駄に冷静だった。
妙に納得したような、そんな感じだ。



もう良いですよ、と下ろして貰って、まだ何のことか分かってない銀時に小さく笑いが零れた。
もしかしたら、彼の前で笑ったのは初めてかもしれない。








『"あの時"、助けてくれて』
『ありがとうございました』










ずっと、言いたかった。









「...お前......、何で、それ」

『酷いですね、何も教えてくれないなんて』

「おい、」

『ずっと、護ってくれてたんですね』

「何で知ってんだ...!」








今は「何で」とか「どうして」とか、そんな事どうでも良いことじゃない。








『この恩は、これから返していきます』
『私の一生を掛けて』








だから、もう少し傍に居てくださいって言うのは我儘ですか?










「...お前は"鬼"になりたいか?」
「"人間"になりたいか?」









どちらにもなりきれない私は半端者。
ずっと嫌いだった妖。
でも、それ以上に人間の方が嫌いだと思うのは人里から離れて暮らしてたから。










『"鬼"みたいな"人間"にはなりたくないです』









私の回答に、銀時は八重歯を見せて笑った。











「分かった」、そう言ってその鋭い牙で己の指に傷を作り血を出した。
それを私の口元へ持ってきて付ける。





ぬるっとした感覚にビクッなんて。







「これで、お前も、晴れて妖の一員だ」









妖狐の血を引き継ぎ、"本物の鬼"に_______










.
/ 26ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp