第6章 電話の指示で...~二宮和也~
和さんのこと、ちっとも恨んでなんかいないけど、
今は全てがどうでもいい。
部屋に引きこもって、ネットを見て過ごす日々が続いた。
そんなある日、とあるSNSで見つけてしまったのである。
「癒されたい女の子いませんか? 和」
身体が疼いた。
流石に彼だとは思わない。
だけど・・・。
彼の代わりが欲しかった。
「癒されたいです。 みき」
ドキドキしながらキーを打つと、返事はすぐに返ってきた。
「みきちゃんっていうんだ。可愛い名前だね。初めまして。和です。
みきちゃんはいくつかな?」
「22です。」
「こういうとこにはよく来るの?」
「初めて書き込みました。」
「そうなんだ。じゃあ、電話でするのはやめて、ここでしたほうがいい?」
あたしが欲しいのは「代わり」だ。
もう、どうにでもなれと思った。
「電話したいです・・・。」
「いいの?無理しなくてもいいんだよ。」
あれ?もしかして、ちょっと良い人かも・・・。
顔も見えない、画面の向こう側の人間にほんの少しでも安心してしまう。
「はい。大丈夫です。」
「じゃあ、ここに電話ちょうだい。XXX-XXXX-XXXX」