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気象系さんとラブラブ♥BLも有♥[R18]

第6章 電話の指示で...~二宮和也~


理由はたった一つ。


「寂しかったから」だ。


わたしには好きな人がいた。
高校2年の冬、学校帰りにふらっと立ち寄った小さな喫茶店で温かいコーヒーを淹れてくれた人。ネームプレートには「和」って書いてあった。

特別優しくしてもらった覚えはない。
理由もなく、ただ好きになってしまったのだ。

あの日から5年。

時間ばかりが過ぎて、とうとう私は最後まで、和さんに見合う女性になんてなれなかった。

「好きです。」

子供じみた言葉。
でも、こんなたった一言が伝えられていたら、少しは変わったのかもしれない。

現実は残酷だ。

彼は突然、お店を辞めてしまったのだ。

マスターにきいても、行き先はわからないという。

あーあ、なんてバカなんだろう。
言葉にできない想いは、年齢と共に欲望まで膨らませていく。


「初めてが和さんだったらいいのに。」

告白もできないくせに、私はこんな願望さえ抱いていた。

とことんイタい処女だ。

たった一人の人を想うあまり、なんの経験もせずに過ごしてしまった。

夜な夜な一人で自分を慰めることしかできない。

終わった後は、虚無感との戦いだ。
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