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溺愛執事の恋愛事情

第6章 完璧執事の、弱点





「おはようございます、お嬢様。起きていますか?」



「………」





ピピピピピピピピ



耳障りな機械音が頭に響くのを感じながらうっすらと瞳を開けば。

「……あれ」


あたしの部屋の、ベッドの上だ。
パジャマもちゃんと着ているし、恐る恐る覗いたけど下着もちゃんと着けてる。




コンコン


「お嬢様、入りますよ」


「え!?ぃやまって……」

などと否定の言葉を投げ掛けたところで、こいつは構わずに入ってくるのだ。
ならわざわざ言わなきゃいいのに。



「なんです?」


「なんでもありません」


どうせ言ったところで。
「入ります」と言っただけで許可など求めていません、とでも言ってのけるに違いない。



「……ああ、昨日のこと、怒っておいでですか」
「昨日?」
「部屋まで運んだことを怒っているのでは?」
「!!」

そうだ!

「それも、怒ってる」
「も?」

「………っ」

「着替え、ですか?」


着替え!!
そうだ!
下着も!


「安心して下さい。下着は新しいものと交換して、昨日お召しになっていたものは洗ってありますから」

「〰️〰️〰️〰️っ」


「お嬢様?」


「出てけっ!!今、すぐ!!ここから出てけっ!バカハイセっっっ」


「ですがまだお着替えが」


「自分で出来る!!いいから今すぐ出てけっ!」



なんなのっ
デリカシーの欠片もないの!?
あの男はっ!!
恋人にわざわざ使用済みの下着洗わせるバカがどこにいんのよっっ。


「…………」



待って。
落ち着こう、1回。
今までだって気付けば体はきれいに洗われていたし、パジャマどころか下着まで新しいものと交換されてた。

そうだ。
それ、全部ハイセが?


「〰️〰️〰️〰️〰️っっっぅぅ」



駄目だ。
立ち直れない。
朝っぱらからこんなに重い現実に対峙しなきゃいけないなんて。
今日は絶対厄日だ。
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