第5章 溺愛執事の逆襲

中、で。
さっきからハイセがビクビク脈打つ度に。
ぞわぞわするの。
ぞくぞくするの。
早く欲しくて堪らない。
一番奥まで。
早く触れて欲しくて。



「皇……」




「ハイセが、好き」



好きすぎるくらいに。
愛してる。




「皇」
「？」
「旦那様が、帰ってくるから」
「ぇ」


まさか、やめる、とか、言わない？
でもでも、ハイセパパに忠実だし。


「ぃや！やだ！」


止めないで。
ハイセと、ちゃんと繋がりたいのに。



「さすがにそれ、俺も無理だから」


「………っ」



嘘、でしょ。
ここで？
この状況で、やめちゃうの？



「ハイセ……」



思わず涙が、出そうになったところで。



「！？」



ハイセが、少しだけ体重をかけて前屈みになれば。



「━━━━━━！！」




所謂『いいところ』へと直に入り込み。
ビクンっ、て。
身体は、跳ね上がる。



「ここだよな？気持ちいい？」
「は……っ、や……」


ビリビリ、ビリビリ。
電流でも流されたような、しびれが全身を駆け巡る。



「ここでやめるとか、俺も無理」


「………っ、ぇ」



「だから」




唇がくっつくまで、あと数ミリ。




にっこりと天使の微笑みをたずさえて。
悪魔が囁いた。




「声、我慢できるよな」





「━━━━━ッッ！？」





何、いいかけて。
再開された腰の動きと。
吐息さえも飲み込むような激しい口付け。
両腕で頭ごと押さえ込まれれば。
口付けから逃げることも、声を出すことも許されない。
時折、一瞬だけ唇が離れた隙にも。
声が漏れる前にまた、塞がれる。




確実に１ミリのずれもなく気持ちいいところばかり擦られて。
さっきからずっと。
痙攣が止まらない。



ただただずっと。



ハイセの背中に回した掌に力を込めて。
しがみつくしか、出来なかった。