第5章 所属班発表と、奇行種との遭遇
…え?近づいてくる?
と思ったらグイっと腕を引っ張られて振り向かされる。
そこにいたのは、何とリヴァイだった。
リヴァイは始め伝言を伝えて戻ろうとしたが、人が話してるのに
振り向きもしないティアナに後からイラついて思わずとった
行動だった。
「おい、こっちを見ろ」
予想以上の至近距離にティアナは目をそらすが、
顎を掴み上を向かされリヴァイと目が合う。
「…なんですか」
リヴァイが何も言わないのでティアナは仕方なく声を掛ける。
こんなことするより早く部屋に戻って寝たいのだが。
「…いいか、人が話してるときは顔くらい合わせるもんだ」
「…先に断ったじゃないですか」
「あぁ、確かにそうだ。だが次はねぇぞ」
リヴァイはティアナを離すと何事もなかったかのように
戻っていった。やはり第一印象で思った通り横暴だ、なんて考える。
ティアナは他の兵士たちが出てくる音で我に返って歩き出した。
・・・
リヴァイは悩んでいた。
先ほどティアナに注意しようと目を合わせたとき、
一瞬動けなかった。怖いくらい澄んだ大きな瞳から目が
離せなかった。
そして妙に脈が速くなった気がするが…まぁそれは気のせいだろう。
しかしなぜこんな状態になるのか分からずに、
ただ悩むだけのリヴァイだった。