第5章 所属班発表と、奇行種との遭遇
「分隊長!向こうへ行きますよ」
「え~」
「え~じゃないですってば」
「ティアナ~!また話そうね~」
嵐のような人だな…
ティアナはビミョーな視線で見送った。
・・・
夜が更け始めてようやく歓迎会はお開きになった。
…歓迎会っていうよりただの宴会みたいになってたけど。
明日も朝から訓練が始まるからティアナは早く寝ようと、
さっさと部屋へ行くために食堂から抜け出した。
「おい」
廊下を歩いていたら、後ろから声を掛けられた。
「…誰だか存じ上げませんが、話しかけないでください」
「ああ?…そんな訳にはいかないだろうが」
「…ではせめて返事を期待しないでください」
一度も振り返ってないから、ティアナは誰に話しかけられた
のか分かっていない。
相手に対し失礼な態度を取っていると分かっていたが、
今日一日で悪く言えば変人、よく言えば個性的な人たちに
一度に会ってもうくたくただった。
「分かった。もとより伝言を頼まれただけだしな」
「…」
「エルヴィンからだ。明日訓練が終わったら部屋へ来てくれ、だそうだ」
「…」
エルヴィンから呼び出し?ティアナは何か失礼なことをしたかと
考えて返事をしないでいたら、足音がして後ろにいた人が
近づいてくるのがわかった。