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イロイロ【気象系BL】

第11章 キミ色フォルダ Root Green



「ニノはもう俺のことなんて好きじゃない?馬鹿すぎて嫌いになった?」

一番心配なことを聞いてみたら、ニノの目からポロリと涙が零れた。

「ニ、ニノ…?」

突然泣き出したニノに焦る。

その表情を見れば、悲しくて泣いてるわけじゃなさそうだけど。

じゃあなんで泣いてるのか考えてもさっぱり分からない。

「泣かないで?」

とにかく涙を拭おうとその頬に触れたら、ニノはビクッと体を強ばらせた。

その反応に、もしかしたら本当に嫌われたのかもしれないとショックを受ける。

でもよく見れば、ニノは真っ赤で。
泣いててもすごく可愛くて。

とても嫌いな相手に向ける顔には見えなくて。

不安と期待が入り交じる俺を、ニノは涙でうるうるの瞳でキッと睨んだ。

「……嫌いになんてなるわけない!」

はっきりと否定されて、不安が消えていく。

「俺がどれだけ雅紀のこと好きだと思ってんの?そんな簡単に嫌いになるなら、もうとっくになってる!」

ポロポロ泣きながらの告白だけど。
ものすごい睨まれたままだけど。

びっくりするくらい嬉しくなる。

だってニノがまた好きだって言ってくれた!
嫌われてなかった!

「ニノ…」

嬉しくて嬉しくて、ついにやけちゃったら、ニノはそっぽを向いてしまった。

きっと恥ずかしくなっちゃったんだろうな。
真っ赤な耳が可愛い。

「そもそも雅紀がばかなのなんて前から知ってるし!」
「えっ、ひどっ!」

付け足された一言に、わざとガーンってショックを受けた顔をしてみせたけど。

照れ隠しなだけで、本当はそんなこと思ってないって分かってるよ。

俺が本当に傷付いてないか気にしてチラチラ様子を伺ってるのまで丸わかり。

本当に可愛い。
すごくすごくすごく可愛い。

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