第11章 キミ色フォルダ Root Green
ニノはしばらく何かを考えてたみたいだったけど、ふいにポツリと口を開いた。
「…俺、男だよ?」
「うん、知ってる」
「こないだ言ったよね?俺は彼女にはなれないんだよ?」
確認するように問い掛けてくるニノは悲しそうな顔をしてて。
やっぱりあの発言は、ものすごくニノのことを傷つけてしまったんだと分かる。
ごめん、本当にごめんね。
何度謝っても足りないね。
「こないだはテンパって彼女とか口走って本当にごめん。でも俺は彼女が欲しいんじゃないんだ。ニノに女の子になって欲しいって思ってる訳でもない」
こんなのニノからしたら言い訳にしか聞こえないかもしれない。
それでも、誤解を解きたい。
自分のためじゃなくて、ニノのために。
「それなのに、彼女とか言っちゃって。好きって言うのも忘れちゃって。そんなんで俺の気持ちが伝わるわけないのに…本当に馬鹿でごめん」
また頭を深く下げる。
俺の真剣さが伝わったのか、ニノも真剣な顔で聞いてくれてる。
「ニノは可愛くて、優しくて、でも男らしくて、ちょっと天邪鬼で。きっとまだ俺の知らないニノもいて。俺はニノのことをもっと知りたいし、ニノとずっと一緒にいたいと思ってる。ニノのことが大好きだから」
今度こそ間違えずに伝えるから。
ちゃんとニノに届きますように。
「だから俺と付き合ってほしい。俺の恋人になってほしいんだ」