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イロイロ【気象系BL】

第11章 キミ色フォルダ Root Green



ただ、話をしたいとは言ったけど、とてもじゃないけど裏庭で話せる内容じゃない。

壁に耳あり障子に目あり。
校内だとどこで誰に見られてるか分からない。

元カノとの一件で身をもって経験したからね。

…で、色々考えたけど。

結局、良い場所が思い浮かばなくて俺の家に移動した。

この時間なら家族は誰もいないし、何だかんだ一番人目を気にせず話が出来ると思って。

もしかしたらニノは嫌だったかもしれないけど。

何も言わずについてきてくれたから、いいことにさせてもらった。


狭い俺の部屋でニノと向かい合って座る。

うちにニノが来るのは、ニノが告白してくれた日以来だ。

あの日ニノが勇気を出してくれたこの場所で、今日は俺が想いを伝えるんだ。

でも、その前にやらなきゃいけないことがある。

「ニノ」
「………」

名前を呼んでもニノは俯いたままだったけど、気にせずその場で正座して。

「ごめんなさい」
「えっ!?何!?」

深く深く土下座する勢いで頭を下げたら、ニノはギョッとしたように顔を上げた。

「やめて!そんなことしないで!」
「ううん、謝らせて」

肩を掴んで無理やり体を起こされたけど、その手をそっと外してもう一度深く頭を下げる。

「この間は本当にごめん。無神経なこと言って傷付けて、そのまま1人で帰らせて。本当にごめんなさい」
「そんな…そんなの謝ってもらうようなことじゃ…」

ニノは困ったようにオロオロしている。
本当に謝られるようなことなんてないと思ってそうだ。

でも、どう考えても俺が悪いし。
謝らないと先に進めないから。

「俺が悪いんだから謝らせてほしいんだ。それで改めて告白させてほしい」
「………は?告白?」

顔を上げてニノとしっかり目を合わせる。

ニノは明らかに戸惑ってるけど。
ごめんね、伝えさせてね。


「俺はニノが好きだよ」


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