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イロイロ【気象系BL】

第11章 キミ色フォルダ Root Green



触れていたのはほんの一瞬。

すぐに唇を離したけど、ニノは真っ赤な顔で目を見開いてた。

ああ、またやっちゃった…

驚いて言葉も出ない様子のニノを見てすぐに反省する。

ニノの可愛さを前にすると、色んなものが吹っ飛んでいっちゃってダメだな俺。

でも、もう自分の気持ちはハッキリしてるんだ。

順番を間違えちゃったけど、ちゃんと伝えなきゃ。

抱き締めていた腕を緩めて、ニノに真正面から向き合う。

「ニノ…俺、ニノと付き合いたい」
「………え?」

意を決して伝えた言葉に、ニノのもう既にまん丸だった目が更に大きく見開かれた。

これ以上は目がこぼれ落ちちゃうんじゃないかと思うくらい。

でも正直それを気にかけてあげられる余裕がない。

だって俺、よく考えたら自分から告白するのは初めてなんだよ。

口に出したら急に心臓がバクバクしてきちゃって。

ヤバいな…
告白ってこんなに緊張するもんだったのか…

指先が震えているのを感じながら、あの日のニノを思い出す。

今の俺は、ニノが俺のことを好きだって知ってる。

言うなれば、この告白は後出しジャンケンみたいなもんだ。

それでもこれだけ緊張するんだ。

あの日のニノの緊張は一体どれ程だったんだろう。

ほぼ捨て身の告白だったと思う。
何も望まず、ただ俺のことだけを考えて。

緊張で声も体も震えてて。
それでも必死に想いを伝えてくれた。

あの日のニノの胸の内を思うだけで胸がいっぱいになって。

ニノが愛しくて愛しくて、堪らなくなる。

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