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イロイロ【気象系BL】

第11章 キミ色フォルダ Root Green



「ううん、俺、今日は本当に楽しかったんだ…それは雅紀と一緒だったからだよ?」

恥ずかしいのか、ポソポソ喋るニノの声はすごく小さい。

「そもそも、雅紀とじゃなかったら遊園地なんて来なかったと思うし…」

聞き取りにくいけど、これは俺のために言葉にしてくれてるんだって分かるから。

一言も聞き逃さないように耳を澄ませる。

「雅紀がすごく楽しそうで…楽しそうな雅紀を見てるだけで、俺も楽しかった…」
「そう?それなら良かった…のか?」
「うん…ふふっ…」

まっすぐで素直な言葉になんか照れてしまう。

ニノが本気で言ってくれてるのが伝わってくるし。

そもそも言ってるニノが照れてるからね。
耳まで真っ赤だもん。

照れって伝染るんだな…なんて。

くすぐったい気持ちになりつつ、のんきなことを考えてたんだけど。

「そんなんじゃないって分かってるのに、本当にデートしてるみたいで…夢みたいだったな…」

ふいに、ポツリと。
ニノがまるで独り言みたいに呟いて。

ズッキュンって心臓が変な音を立てた気がした。

両手で赤い頬を隠すみたいに覆ってるけどさ。
全然隠せてないから!可愛さダダ漏れだから!

ここまで来るともはや暴力なんじゃないかと思うくらい、ひたすら可愛いんだけど!

「ニノっ」
「わっ!」

堪らなくなって、向かいに座っていたニノの腕を引っ張って、ぎゅっと抱き締める。

「ま、雅紀?」

突然のことに戸惑った顔をして潤んだ瞳で見上げてくるニノが、どうしようもなく可愛くて。

どうしようもなく愛おしくて。

気がついたら、腕の中で固まってるニノに顔を寄せて。

ニノの唇に自分の唇をそっと重ねていた。

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