第11章 キミ色フォルダ Root Green
めいっぱい遊んで、気づいたら夕暮れ時。
何気なく見上げた空がびっくりするくらい綺麗で、思わず足を止めてしまった。
「見て!ニノ!空が綺麗!」
「本当だ…綺麗な夕焼け…」
空を指さしたらニノも空を見上げて、ふわりと微笑んだ。
オレンジ色に染ったその横顔がすごく綺麗で、思わずスマホを向ける。
「ちょっと!盗撮しないでよ!」
シャッター音に気付いたニノが、振り向いて頬を膨らますけど。
怒ったフリしてるだけだって知ってるから怖くないもんね。
「盗撮じゃありませーん!堂々と撮ったもんねーだ!」
「もー、屁理屈言って…」
ほらね。
胸を張って言い返したら、クスクス笑ってくれる。
この可愛い笑顔も残したくて。
またシャッターを押す。
「あ!また!」
「いいからいいから!今度はカメラ目線で!こっち見て笑って!」
「何がいいのよ…」
今度はちゃんと声を掛けたら、ニノは文句を言いながらもスマホに向かってにっこり笑ってくれた。
俺のスマホのカメラロールには今日の写真がびっしり並んでる。
今日1日でニノの写真を何枚撮っただろうね。
もちろん女の子たちに頼まれたから撮ってるんだけど。
途中からは、俺が撮りたくて撮ってた。
だってニノが可愛いんだもん。
この可愛いニノをたくさん残しておきたくなったんだもん。
最初は必要以上に撮られるのを嫌がってたニノも、慣れたのか諦めたのか、すぐに笑顔を作ってくれるようになった。
「ツーショットも撮ろ!」
でもカップルみたいに肩を抱いて顔を寄せると、真っ赤になってはにかむ。
これは何枚撮っても慣れないみたいで、なかなか笑顔は見せてくれないけど。
最初は逃げたり暴れたりしてたから、おとなしく写ってくれるだけでもすごい進歩。
それに毎回照れちゃうニノがやっぱりすごく可愛い。
こんな可愛いニノ誰にも見せたくない。
それが写真でも…
本当は誰にも見せたくないよ。