• テキストサイズ

イロイロ【気象系BL】

第11章 キミ色フォルダ Root Green



でも本当は気付いてる。

やっぱりニノもお化け屋敷は得意じゃないって。

だって、ずっとビクビクしてるし、繋いだ手には痛いくらいギュッと力が込められてる。

きっと俺が先に怖がっちゃったから、ニノは怖いって言えなくなっちゃったんだ。

悪いことしたなって、すごく申し訳なく思ってるけど。

ニノは恐怖心を隠して、俺を守るみたいに前を歩いて。

「大丈夫だよ、雅紀。俺がついてるから」

すぐに足が止まる俺を励ましてくれて。

すげー頼もしくてカッコいい。
俺なんかより何倍も。

今は美少女姿でこんなに可愛いけど、やっぱりニノも男なんだよなぁって、ものすごく実感する。

でもニノが男だからこそ、俺は自分を飾らず素のままでいられるんじゃないかと思う。

女の子相手だと、どうしてもカッコつけたり強がったりしちゃってたけど。

ニノの前ではありのままの自分でいられる。

「ぎゃー!もう無理だってぇ…」
「大丈夫!もうすぐ出口だから頑張れ!」

かっこ悪い、情けない姿を晒しても、ニノは引かない。態度も変わらない。

ありのままの俺を受け止めて、受け入れてくれて。

それがすごく嬉しい。

「はい!ゴール!」
「やったぁぁぁっ!!」

何とか辿り着いた出口で、全力で万歳したらニノが吹き出した。

「ふふっ…もう、本当にばかなんだから」
「はい、すみませんでした…」

ひどい言われようだけど、反論は出来ない。

疲れきってグッタリしてる俺を見て楽しそうに笑うニノは、今は可憐な女の子にしか見えなくて。

さっきまでの男らしさが嘘みたい。

でも、さっきのカッコいいニノも。
今の可愛いニノも、どっちもニノで。

きっと、まだ俺の知らないニノもいるだろう。

それを全部知りたいと思った。
良いところだけじゃなくて、悪いところも全部。

もう認めるよ。
俺はニノにどうしようもなく惹かれてる。

だからもっとニノのことを知りたいんだ。

/ 362ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp