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イロイロ【気象系BL】

第11章 キミ色フォルダ Root Green



恐怖に怯え戦き、さんざん叫びながら何とか進んできたけど…

もうダメ!もう無理!本気で限界!

「もう進めないよぉぉぉ…」
「もう!雅紀がお化け屋敷苦手なんじゃん!」

中途半端なところで完全に動けなくなってしまった俺に、ニノは呆れを通り越して困り顔だ。

「おかしい…こんなはずじゃなかったのに…」
「なんでこんなに怖がりなのに入りたいとか言うかな」
「遊園地久しぶりで…苦手なの忘れてた…」
「ばかなの?普通忘れないでしょ!」
「うぅ…」

可愛い顔して毒舌!
でも本当のことすぎて何にも言い返せない…

頼れる男どころか、カッコ悪さ全開。

情けない姿を晒しただけじゃん…
本当にバカだ…

しょんぼりしていたら、目の前に小さな手が差し出された。

「仕方ないから手繋いであげる」

声はつんつんしてるし、そっぽ向いちゃってるけど。

薄暗い中でも分かるくらい顔が赤い。
つんつんした態度も照れ隠しだって分かる。

くぅー、可愛い!!
地獄に天使!!

「ありがと、ニノ」

遠慮なくニノの手を掴ませてもらったら、その手の温かさにちょっと気持ちが落ち着いた…気がした。

「ほら!いつまでも立ち止まってても仕方ないから行くよ!」

ニノに引っ張られて、固まってた足が動き出す。

でも周りの状況は何も変わってないから、やっぱりめちゃくちゃ怖い!

「ぎゃー!あそこなんかいる!」
「そりゃいるでしょ。お化け屋敷なんだから」
「ぎゃー!来ないでー!」
「怖いなら目を瞑ってていいよ」

いつの間にかニノに縋り付くようにへばりついてる俺に対して、やたらと男前なニノ。

カッコいい!!

予定では俺がこうなるはずだったんだけどなぁ…

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