第11章 キミ色フォルダ Root Green
「あ!お化け屋敷!」
乗りたかったのは大体乗ってしまって、次はどうしようかと適当にぷらぷら歩いていたら、お化け屋敷が目に留まった。
お化け屋敷ってさ、デートのど定番って感じするよね!
今日は別にデートってわけじゃないけど。
ニノにも散々否定されてるけど。
でも、ニノったら本当に可愛いんだもん。
こんな可愛い子と2人で過ごしてたら、やっぱりちょっとデート気分になっちゃうよ。
「お化け屋敷…入りたいの?」
ニノはイヤだとは言わないけど、何だか微妙な顔をしてる。
もしかして怖いの苦手なのかな。
「こわい?やめとく?」
「…雅紀が入りたいならいいよ」
一応確認するけど、ニノは今まで通り俺の意見を尊重してくれる。
もうね、ここでやめておけば良かったんだ。
明らかにニノは乗り気じゃなかったし。
でも我ながら悪趣味だと思うけど、怖がるニノも可愛いだろうなとか思っちゃったんだよ。
涙目で怯えるニノとか!
超絶可愛いに決まってるし!
そんなニノをカッコよく守って頼れる男アピールしちゃったりして。
それでもって、あわよくば怖がるニノと自然に手を繋いじゃったりして…
なーんて、下心もありありで。
「じゃあ、入ってみる?」
「………うん」
ウキウキ気分で足を踏み入れたんだけど。
入って速攻で後悔したよね…
「ぎゃー!今なんかいた!何かが触った!」
「ぎゃー!こわいこわいこわい!」
「いやー!もう無理!もうやだ!歩けない!」
これ、全部俺の悲鳴だからね。
ろくでもないこと考えたバチが当たったんだと思う。