第11章 キミ色フォルダ Root Green
その後は、ちゃんとニノの様子も気に掛けながら遊んだ。
まぁ、激しめのアトラクションは連続して乗らないようにするとか、休憩をこまめに取るとか、そんくらいしか出来てないけど。
ニノも楽しんでくれてるように見える。
「ニノ!アイス食べよ!」
「さっきジュース飲んだばっかじゃん…まだ食べれないよ…」
園内を移動中、見つけたアイス屋さんを指さしたら、ニノは信じられないって顔をしたけど。
さっきって言っても結構時間経ってるよ?
しかもジュース飲んだだけだよ?
まだお腹いっぱいって、そっちのが信じられないんだけど。
「少食さんだなぁ…じゃあ、ニノには俺の分けてあげるね」
「ねぇ、人の話聞いてた?」
ごちゃごちゃ言うニノを無視してバニラアイスを買って、空いてたベンチに腰を下ろす。
ため息を吐きながら隣に座ったニノだけど、ちょっとホッとした顔したの見逃さなかったからね。
さっき乗ったのが、思ったより回転が速くて。
ニノにはキツかったんじゃないかと思ってたんだよ。
休憩して正解!
ま、小腹が空いたのも本当なんだけど。
「んー!美味い!」
パクリと頬張ったアイスの甘さと冷たさがちょっと疲れた体に染み渡る。
それに外で食べるアイスって美味しいよね。
この美味しさをニノと分かち合いたい!
「はい!ニノも!」
「えっ?えっ?」
アイスを乗せたスプーンをニノの口元に運んだら、ニノは途端に真っ赤になって狼狽えたけど。
「あ!ほら!溶けちゃう!垂れちゃう!早く口開けて!早く早く!」
「え?えっと…んむっ」
早口でまくし立てたら、ちょっとだけ口を開けてくれたから、そこにスプーンを突っ込んだ。
「ね?美味しいでしょ?」
「………うん///」
赤い顔で素直に頷くニノが可愛い。
「もっと食べる?」
「も、もういい…///」
「そっか」
でも照れまくるニノを見てたら何だか俺まで照れてきちゃって。
誤魔化すように残りのアイスを急いで口へ運んだ。