第11章 キミ色フォルダ Root Green
結果、ウィッグは何も問題なかった。
ジェットコースターの後、バイキング、フリーフォールと続けて乗ったのに、ほんのちょっともズレてない!すごい!
ただ、髪の毛は大丈夫だったけど、ニノが大丈夫じゃなかった。
「ニノ大丈夫?」
「大丈夫大丈夫」
へらへら笑ってるけど顔色があまり良くない。
元から白い顔が更に白くなってる。
きっと本当は絶叫系があんまり得意じゃないんだろうな。
それなのに、俺が何に乗りたいって言っても笑顔でいいよって言ってくれるから、ニノも好きなのかと思っちゃって。
俺に合わせて無理してることに全然気付いてあげられなかった。
浮かれてニノをちゃんと見れてなかったことを反省する。
「ちょっと休む?」
「大丈夫だよ。雅紀乗りたいのたくさんあるでしょ?休んでる時間がもったいないよ」
絶対しんどいくせに、自分の体調にはお構いなしに俺を優先しようとしてくれるニノ。
嬉しいけど、無理させたくない。
俺はニノにも楽しんで欲しいよ。
でも無理やり休ませても気にしちゃいそうだから、ニノが無理せず乗れそうなアトラクションを考える。
「次は何乗る?」
「じゃあ…メリーゴーランド!」
「メリーゴーランド?絶叫系はもういいの?」
ニノは怪訝そうな顔をするけど、こんな蒼白な顔したニノをまた絶叫系に乗せるなんて出来ないよ。
「乗りたかったのはもう乗ったし。次はデートっぽいのに乗りたい!」
「デートじゃないってば!俺男だし!」
「いいじゃん!絶対ニノ似合うよ!」
「乗り物に似合う似合わないとかないし!」
「あるって!」
ニノはデートって単語に過剰反応して。
また赤くなってキャンキャン文句言ってる。
まぁさ、ニノが遠慮しないようにわざとおちゃらけたんだけど。
でも、ニノとメリーゴーランドは本気で似合うと思うんだよ。
白馬に跨るニノなんて絶対可愛い!
ご褒美用の写真にもちょうどいいんじゃない?