第11章 キミ色フォルダ Root Green
「ニノ!何から乗る?何に乗りたい?」
久しぶりの遊園地。
元々大好きな場所だから、たくさんのアトラクションを前にテンションはぐんぐん上がっていく。
「ジェットコースター?バイキング?それともフリーフォール?」
「全部絶叫系じゃん…」
子どもみたいにはしゃぐ俺を見て、ニノがクスクスと笑う。
「俺は何でもいいよ」
「いいの?」
「うん、雅紀が乗りたいのに乗ろ」
ニノのチケットなのに本当にいいのかなぁ…なんて思うけど。
そういえば前に、自分で決めるのがあんまり得意じゃないって言ってたっけ。
人に決めてもらう方が楽なんだとかなんとか…
「じゃあ、ジェットコースター!いい?」
「うん、いいよ」
遠慮なく決めさせてもらっちゃったけど、ニノもニコニコしてるからきっとこれでいいんだろう。
「あ、でもニノのウィッグ…」
途中で吹っ飛んだら大変だから、やっぱりジェットコースターはダメかも…?
やっぱり違うのがいいかと迷ってたら、ニノがキッパリ大丈夫だと言い切った。
「みんな俺が遊園地に行くの知ってるから、かなりしっかり留めてくれたんだよ」
おお!さすが女子!
そんなことまで考えてくれたのか。
「それに俺も乗ってる間は髪の毛押さえとくし…だから気にしないで大丈夫だよ」
にこっと笑って、雅紀が乗りたいのに乗ろうよ…なんて可愛いことを言ってくれる。
ニノがここまで言ってくれるなら、ジェットコースターでいいか。
「じゃあ行こう!」
「うん!」