第11章 キミ色フォルダ Root Green
でも内心悶える俺に、ニノは気付かない。
「でも圧がすごすぎて断れなかったんだ…ごめんね…」
今日も早朝から呼び出されて、女子たちによってこの格好にさせられたんだと言うと、シュンとしてしまった。
いやいや、ごめんねどころか!
むしろ俺的には、可愛いニノをまた見せてくれてありがとうだよ!
ニノが落ち込む必要なんて全くない!
「何にもニノのせいじゃないじゃん!謝らないでよ!」
「でも…」
ニノはまだごちゃごちゃ言ってるけど。
今日1日、この可愛いニノを独り占め出来るわけでしょ?
それに、女装してる可愛いニノとデートしてる所を、もし知ってる誰かに見られたとしても。
ミスコンからの流れと、女子に強要されたっていう言い訳があるから堂々としてられる!
女子たちの発想はちょっと意味不明だけど、これは俺にとってもご褒美かも!
「どんな格好しててもニノはニノだし!こんな可愛いニノとデート出来るなんてむしろ役得だって!…って文化祭の時も同じこと言ったね、俺」
「もう…ばか…///」
テンションの上がった俺の腕を、また真っ赤になったニノが叩く。
そんな照れ隠しもただただ可愛い。
「ニノも細かいことは気にしないで楽しもうよ!せっかく遊びに来たんだから!」
ね?とその顔を覗き込んで目と目を合わせてみたら、ニノは赤い顔を更に赤くしたけど。
こくりと小さく頷くと、やっと今日初めての笑顔を見せてくれた。