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イロイロ【気象系BL】

第11章 キミ色フォルダ Root Green



善は急げ?
思い立ったが吉日?

とにかく間が空いたら、ニノがまたごちゃごちゃ言い出すかもしれないと思って。

その週の週末、ちょうど俺の部活が休みになって。

聞いてみたらニノも特に予定はないって言うから、その場で約束を取り付けた。


待ち合わせは遊園地のある駅の改札。

着いてすぐ周りをざっと見回してみたけど、ニノの姿は見えない。

まぁ、まだ待ち合わせの時間にはちょっと早いしね。

適当にゲームでもして時間を潰してようとスマホに目を落としたら

「雅紀!」

急に名前を呼ばれてびっくりした。

え?ニノいたの?
見落としてた?

慌ててもう一度ニノを探すけど、俺たちと同じような待ち合わせっぽい人が数人いるだけ。

ニノの姿はない。

あれ?空耳?

「ねぇ!雅紀ってば!」

いや、空耳にしてはやたらはっきり聞こえるな。

でも声のする方を見ても女の子が1人いるだけ。

キョロキョロしてたら、その子とバチッと目が合っちゃって。

気まずくて急いで目を逸らしたけど…

んー?なんか見覚えのある顔のような?

でもすぐに思い出せないから、知らない子の可能性が高いか。

さすがにマジマジと見て確認することは出来ない。

でもちょっと引っかかるんだよなぁ…

何とか思い出せないかと考えていたら

「…なんで無視するの?」

悲しそうな呟きが聞こえて。
それはどう聞いてもニノの声で。

慌てて振り向いたけど、そこにいるのはやっぱり女の子…

…………じゃない!?

「え!?ニノ!?」
「………うん」

ちゃんと向き合ったその子は、何故か可愛らしい女の子の格好をしたニノで。

今にも泣き出しそうな顔をしていた。

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