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イロイロ【気象系BL】

第11章 キミ色フォルダ Root Green



「雅紀いる?いるならあげるよ?」

物欲しそうな顔になっちゃってたのか、突然ニノがそんなことを言い出した。

「え?なんで?ニノがもらったんだから、ニノが行きなよ」
「俺が持ってても使わないもん…」

それなりに高価なものなのに、あっさりくれようとするから驚いてしまう。

「なんで?忙しいの?」
「忙しくはないけど…」
「もしかして遊園地嫌い?」
「ううん、嫌いではない…」

色々聞いてもニノは何だか歯切れの悪い返事しかしてくれない。

んー?

無料チケットがあって、暇だし遊園地が嫌いなわけでもないのに、行かないってなんで?

「だって俺、一緒に行くような友だちいないから…」

首を捻ってたら、ニノがぽそっと呟いて。
理由は分かったけど。

「はぁ?なにそれ?」

その言い草にちょっとだけ腹が立った。

だってさ、俺はなんなのよ?
友だちじゃないわけ?

「もー!それなら俺を誘ってよ!」
「…え?」

イラッとした勢いのまま思ったことを口にしたら、ニノがポカンとした。

まさかそんなこと言われるなんて思ってもいませんでした…って顔。

…あれ?
もしかして本当にニノにとって俺って友だちじゃないのかも…?

ニノの反応に不安になる。

俺はニノから告白されてて。
なのに未だに返事を保留にしてて。

そうだった…よく考えたら俺たちってちょっと微妙な関係なんだった…

でも!でもでも!

友だちとしての仲を深めようって言ったじゃん!

ニノだって、よろしくって言ってくれたじゃん!

「俺と行こうよ!って、ニノのチケットだけど」
「え?俺と行ってくれるの?雅紀が?」

なんかニノがワタワタしてるけど、俺は引かない!

だって俺たち友だちだもん!
少なくとも俺はそう思ってる!

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