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イロイロ【気象系BL】

第11章 キミ色フォルダ Root Green



「何食べようかなー」
「どうせ唐揚げ定食でしょ?」

学食に向かいながら、今日は何食べようかなって考えてたら、ニノにクスッと笑われた。

「どうせって言うな」
「だっていつも同じじゃん」

確かに毎回悩んでは結局大好きな唐揚げに落ち着いちゃうんだけどさ。

ちょっと小馬鹿にされた気がしてムッとしちゃう。

それに、それを言うなら…

「ニノだっていつも同じラーメンじゃん」
「だって好きなんだもん」

ちょっと言い返したら、むぅっと口を尖らせて拗ねた。

そんな顔も子どもみたいで可愛い。

「今日は違うのにするし!」
「俺だって!」

意味もなく意地を張り合って、そのバカバカしさに笑って。

内容なんてない、こんな何でもないやり取りが楽しい。

「俺にはこれがあるから、ちょっと贅沢しちゃおっかな!」
「いいなぁ…」

俺がじゃーん!と掲げたものを見て、ニノが羨ましそうな顔をした。

実はミスコンには賞品があって。
2位はなんと学食で使える金券だったんだよ!

これがもらえただけでもミスコン出て良かったって思っちゃうよね。

「いいなぁ、俺も食券が良かったなぁ」

ニノは心底羨ましそうに、いいないいなって繰り返してるけど。

「ニノもなんかもらってたじゃん」

ニノは優勝してんだから、確かもっと良いものを貰ってたはず。

「もらったけど…」
「なんだっけ?」
「遊園地のペアチケット…」

そうそう!そうだった!
優勝は地元の遊園地のペアチケットだった。

さすがに夢の国じゃなかったけど、ローカル遊園地だって普通に行こうと思ったら高いもん。

「いいじゃん!遊園地!」

俺なら遊園地のチケットだって嬉しいと思うのに、ニノは何だか微妙な顔をした。

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