第11章 キミ色フォルダ Root Green
別に優勝出来なかったから落ち込んでるとかは全然ないんだけど。
「2位でもすごいよ!」
「本当にちょっとの差だったもんね!」
男子だけじゃなくて、女子たちも励ましてくれる。
俺そんなに落ち込んでるように見えるの?
「私は相葉くんが一番カッコいいと思ったよ♡」
「ずるーい!私だってそう思ってるし!」
私も!私も!って、キャーキャー盛り上がる女子たち…
俺の返事なんて待ってなさそうだし、これは俺をネタに楽しんでるだけだな。
まぁ、みんな楽しそうだからいいんだけど。
「はは、ありがと…」
ついまた苦笑しちゃってたら
「俺も…雅紀が一番カッコいいと思ったよ?」
ニノまでそんなことを言い出すから驚いた。
何故か女子からはキャーっと悲鳴のような歓声が上がって。
「あはは!雅紀モテモテじゃん!」
男子たちは爆笑してる。
ニノがわざとらしくぶりっ子ポーズをするもんだから、たぶん場を盛り上げるための発言だと思ったんだろう。
でもさ、俺には分かったよ。
冗談ぽく誤魔化してたけど、ニノの本心だって。
みんなと一緒になって笑ってるけど、ロングのウィッグからチラチラ見える耳が真っ赤だもん。
ありがとう、伝えてくれて。
有難いことに、今日は色んな人からカッコイイって言ってもらえたけど。
ニノからの言葉が一番嬉しい。
なんなら優勝より価値がある気がするよ。