第11章 キミ色フォルダ Root Green
「おめでとう!二宮くん!相葉くん!」
「おめでとう!お疲れさま!」
「いやぁ、すごかったな!」
ミスコン終了後、教室に戻った俺たちはクラスメイトたちの大歓声と拍手に迎え入れられた。
わっと取り囲まれて、あっという間にもみくちゃにされる。
「二宮くん本当にすごかったねー!圧勝!」
「絶対優勝すると思ってたよー!」
「こんなに可愛いんだもん!当然だよね!」
予想通りというか、当然の結果というか。
ニノは笑われるどころか2位以下に倍以上の票差をつけて、ぶっちぎりで優勝した。
まさに敵なし!
なんならミスのグランプリよりも可愛いんじゃないかって言われてた。
他人の評価なんて気にしないと言ってたニノも、女子たちに囲まれておめでとうと祝われて、照れながらありがとうなんて可愛くはにかんでる。
「雅紀は惜しかったな~」
「勝てるかと思ったけどな~」
キャッキャと盛り上がる女子たちの横で、俺は男子たちから慰めるように肩をポンと叩かれて苦笑してしまう。
そう、俺は準グランプリ…
グランプリは去年も優勝してる超イケメンな先輩だった。
ニノの一人勝ち状態だった女装部門と違って、ミスターの部はかなりの大接戦だったらしい。
自分のことカッコイイと思ってるわけじゃないし、あのファンクラブまであるような先輩相手に俺が僅差だなんてすげー大健闘だと思うよ。
でもさ、ニノは優勝してんだよ…
どうせなら一緒にグランプリ獲って隣に並びたかったな…
なんて思っちゃうのは高望みしすぎかな。