第11章 キミ色フォルダ Root Green
「なんで緊張しないの?コツとかあるなら教えてよ」
何かあるなら参考にさせてもらおうと聞いたんだけど、ニノは何故か恥ずかしそうに顔を赤くした。
え?なんで?
別に変なこと聞いてないよね?
ニノが照れるタイミングが謎だなって思って見てたら、ニノはしばらくモジモジしてたけど。
「コツとかじゃないんだけど…」
ちょっとだけ体を寄せると、耳元で口を覆って、内緒話をするみたいに小さな声で教えてくれた。
「俺ね、雅紀に可愛いって言ってもらいたくて女装すんの引き受けたのね」
「え!?」
そうだったの!?
そんなの初耳なんだけど。
「だから雅紀以外の人にはどう見られてもいいと思ってて…」
ニノの思いがけない告白に驚いてしまう。
「そりゃ気持ち悪がられたり笑われたりしたら、やっぱ良い気はしないと思うけど…さっき雅紀に可愛いって言ってもらえたから、もう例え全校生徒にバカにされたとしても平気なの」
なんて可愛いこと言ってくれるんだろう。
まさかニノがそんな風に思ってるなんて知らなかった。
ニノの中で俺の存在ってそんなに大きいの?
そんなに想ってくれてるの?
何だか胸がいっぱいになる。