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イロイロ【気象系BL】

第11章 キミ色フォルダ Root Green



ミスコンの会場は校庭のど真ん中。
文化祭のために作られた特設ステージだ。

集合時間より早めに来たから、ステージ上ではまだ軽音部がライブをしていて。

出店で買ったジュースを飲みながら、ニノと後ろの方で演奏を聞いてたんだけど。

その盛り上がりっぷりを見てたら何だかドキドキしてきた。

だってステージ前には思ってた以上に大勢の観客がいるのに。

ミスコンは文化祭のメインイベントらしいから、きっとこれ以上の人数が集まるんでしょ?

想像するだけで足が震えそう。

「あー…なんか緊張してきた…」
「え?雅紀って緊張するの?」

思わず胸を押さえたら、ニノが目を丸くした。

「するよ!え?なんかバカにしてる?」
「えー?してないしてない」

ニノは一応否定したけど、全然心がこもってなくて。

「絶対バカにしてんじゃん!」
「あはは」

怒って詰め寄ったら楽しそうにケラケラ笑った。

その無邪気な笑顔が可愛くて怒る気が失せていく。

本当に可愛いって得だよ…

まぁ、そもそもそんな怒ってもないんだけど。

「そういうニノは緊張しないの?」
「俺?俺は別に…」

気を取り直して聞いてみたら、ニノはキョトンとした。

「全然してないの?すごいね」
「別にすごくないよ」

平然としてて強がってる感じもないし、本当に全く緊張してないみたい。

ニノの方こそ意外じゃん!

こんな繊細そうな見た目してんのに、肝が据わってるというか、神経が太いというか…

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