第11章 キミ色フォルダ Root Green
よく分からなくて首を傾げてたら
「…こんな格好の俺と歩くの嫌じゃないの?」
「は?何言ってんの?」
ニノがおずおずとそんなことを聞いてくるから、ついため息を吐きそうになった。
だって、まだそんなこと言うの?
もうちょっと俺のこと信じてよ…
「可愛いって言ってんじゃん!こんな可愛いニノと歩けるなんてむしろ役得だって!」
「はぁっ!?役得って…ばかじゃないの!?」
素っ頓狂な声を上げたニノは、今度は真っ赤になった。
そのままキャンキャン文句言ってるけど、照れ隠しだって分かるからサラッと聞き流して。
特に用事がある訳じゃないのは分かったから
「ほら!早く行こ!」
勢いでニノの手を掴んでみた。
ニノはまたギャーギャー騒いだけど、さっきのやつみたいに振り払われることはなかった。
それどころか微かに握り返してくれたもんだから、嬉しくて自然とにやけてしまう。
「俺たちそろそろ行くね!」
宣言してクラスメイトを振り返ってみたら、男子たちが羨ましそうな顔をしてた。
「お前らイチャイチャしてんなよー」
「雅紀ずりーぞ!」
「ニノ、俺の時と態度違いすぎじゃね?」
ごちゃごちゃ何か言ってるけど無視無視!
「はぁぁ♡相葉くんと二宮くん、美男美女のカップルにしか見えない♡」
「目の保養だねー♡」
女子たちは女子たちで何やら盛り上がってるけど、こちらも無視して大丈夫だろう。
「じゃあ、行ってきまーす!」
ニノの手を引きながら、笑顔で手を振って。
「頑張ってね!」
「応援しに行くからね!」
「優勝して来いよー!」
クラスメイトたちの激励を背に、教室を後にした。