第11章 キミ色フォルダ Root Green
ついまじまじとニノを見てしまっていたら、ニノがソワソワしだした。
髪の毛を触ったり、スカートを引っ張ったり、落ち着きがない。
「あの…やっぱり変?」
「え?」
「俺、気持ち悪い?」
若干挙動不審だけどそんな様子も可愛いなぁ…なんて思ってたら、不安げに聞いてくるから驚いてしまった。
いやいやいや!何言ってんの?
こんなに可愛いのに不安になる意味が分からない。
「なんでそんな風に思うのさ」
「だって雅紀が無表情で見てるから…」
あー…俺が不安にさせてたのか。
それは悪いことしたな。
単にニノに見惚れちゃって。
顔がデレそうになるのを必死に堪えてただけなんだよ。
ニノにこんな顔させるくらいなら、我慢なんてしないでデレデレしとけば良かった。
「気持ち悪い訳ないじゃん!めちゃくちゃ可愛いよ!」
「…ほんと?」
「本当!ってか、こないだも可愛いって言ったのに、信じてくれてなかったの?」
「だって…」
「大丈夫、本当にめちゃくちゃ可愛いから!!」
「…ありがと///」
誤解を解かなきゃと力いっぱい断言したら、ニノはほわっと頬を染めてふわりとはにかんだ。
ヤバい…
ヤバいくらい可愛い…
こんな可愛いニノをこれ以上みんなに見せたくない!
「もう行こっか?」
集合時間まではまだちょっと余裕があるけど、もう向かってしまおうとニノに声を掛ける。
「え?一緒に?」
でもニノは戸惑ってるみたいで。
あれ?まだ行けないのかな?
女子の身支度ってよく分からないけど、これ以上まだなんかすることあんの?
「まだ何か準備することあった?」
「ううん、ないけど…」
なら問題なくない?
なんでちょっと困った顔してんだろ?