第11章 キミ色フォルダ Root Green
……で。
あの日以降、ニノをよく知るために、もっと仲良くなろうと思って。
頑張ってグイグイ距離を詰めてたら、最初はぎこちなかったニノも慣れてだいぶ素を見せてくれるようになってきた。
ニノって、みんなと一緒になってノリよくふざけたりもするけど。
どちらかと言うと、みんなから一歩引いたところで見てることが多かったから、何となく物静かで穏やかなイメージだったんだけど。
仲良くなってみたら意外と口が悪くて。
天邪鬼なところもあったりして。
ちょっと意外でびっくりした。
でもね、俺のことバカにしたり可愛くないこと言ったりもするんだけど、不思議と不快ではないんだよ。
本気でそう思ってる訳じゃないのは分かるし。
そういう態度を見せるのが俺に対してだけだから、なんか特別っぽいと言うか。
俺だけが知ってるんだぞっていう、ちょっと優越感みたいなのもあったりして。
あとね、ちょっとキツいこと言っちゃった後にチラリと俺の様子を伺ってくるの。
俺が怒ってないか心配になっちゃうみたいで。
その時の表情とか仕草とかが超可愛いんだよ!
だから怒る気にならないのかも。
可愛いって得だよね~。
……………って、うん。
そうなんだよ。
あの日からニノがめちゃくちゃ可愛く見えるんだよ。
当たり前だけど、ニノはあの日以来女装なんてしてない。
だから制服も男物だし。
当然化粧もしてないし。
身なりに無頓着で、よく髪の毛に寝癖とかついてるし。
どっからどう見ても男。
女の子には見えない。
見えないのに、可愛い!
とにかく可愛いんだよ!