第11章 キミ色フォルダ Root Green
じゃあ、なんで付き合わないのかって言うと、まぁ彼女と別れたばっかりだっていうのと。
さっき振られた時に、次はちゃんと俺自身を見て好きになってくれる人と付き合いたいと思ったけど。
それって、自分にも同じことが言えるわけで。
次は、相手をちゃんと知って、外見だけじゃなくて内面も好きになって。
俺がちゃんと心から好きだと思える人と付き合いたいんだ。
ここでニノにOKしたら、今までと何も変わらない。
見た目が可愛いから付き合う…みたいなのは、もうやめたいんだ。
ニノとは友だちだけど、俺はあんまりニノのことを知らない。
だから知りたい。
ニノのことをもっと知りたいんだ。
ニノは付き合うなんて考えなくていいって言ったけど。
俺は、ニノのこと…ニノとのこれからのことをちゃんと考えたいんだよ。
「今までも友だちだったから今更かもしれないけど…とりあえず、友だちとしての仲をもっと深めるところから始めませんか?」
「……はい…よろしくお願いします…」
差し出した手にニノはちょっと困った顔をしてたけど、躊躇いながらも、その手を掴んでくれた。
そっと重ねられた小さな手にまたキュンとして。
最後に笑顔を見せてくれた時には、キュンどころか胸がドキドキしちゃって。
これはもしかして…なんて何かの予感がしたりしてた。