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愛のカタチ~貴方と見る世界~【ONE PIECE】

第5章 気づき始めた想い


「私にも…何かできること…」

「何も出来ないだろ。なら、大人しくオレの部屋に隠れててくれた方が、みんなの役に立つってもんだ。お前は大人しくオレ達に守られてればいいんだ。」

ローの言う通り、自分は戦闘向きじゃない。何もできないことは明白だった。下手に出ていけば彼らの足でまといになるだけだし、そのことでローやベポたちに怪我をさせてしまったりするかもしれないと考えた。

「…その通りね。わかったわ。」

「…フッ。随分と聞き分けがいいじゃねェか。」

リンは部屋に戻ろうとするが、船の揺れに足が取られ、動けない。すると、口角を上げて笑うローに不意に抱き上げられた。

「…え…?ロー?ちょ、ちょっと降ろしてってば……!」

「うるせェ!黙ってしっかり捕まってろ!」
(危なっかしい……コイツはしっかりオレが守らねェと…)

その声はとても低く、リンをすぐに黙らせた。
ローは、リンを抱き抱えて船長室へ向かっていった。
その間、二人の間に会話はなかった。

部屋に入り、ソファーの上にリンをゆっくりと降ろした。

「いいか、出てくるんじゃねェぞ。」

ローはそう言いながら、彼女の頭を優しい手つきでポンポンっと撫でた。
ローが部屋を出ようとドアの方に振り向いたその時。

「…待って…」

怯えたその声に、ローは足を止め、振り返った。

「この前のように…抱きしめて…」

ローは、黙ったままリンに向き直し、彼女の前に膝を付き、そっと抱きしめた。

「…大丈夫だ。守ってやる。ここには来させねェ。」

ゆっくり身体を離すと、まだリンがローの服の裾を掴んでいた。

「…離せ。」

その途端、ローはリンに引き寄せられた。

「…!!」

彼女の柔らかな唇が、ローの唇にそっと触れた。
ローは、その不意打ちのキスに少し固まってしまった。ドキドキした。甘かった。
だが、ハッと我に返り、今度はローの方から、
「行ってくる…」
と彼女の額にキスを返した。

(怖がるところも、可愛いが…ドキドキさせやがって…)

そして、足早に部屋を出ていく。
しばしの戦闘の後、ロー達は、敵船を制圧し、戦闘は終わった。
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