愛のカタチ~貴方と見る世界~【ONE PIECE】
第5章 気づき始めた想い
数日前にたまたま出会い、気まぐれで助けた女は、ローの知っている女たちと何かが違う、と直感的に感じた。
ローが知っている女達は、性欲を処理するだけの一晩限りの女や、気に入ったとしても、ログが溜まるまで街に滞在中の数日限り、出港してしまえばそれまでの女。
利害が一致して、共通の目的のためにパートナーとして付き合ったことも、もちろんある。
だが、そこに恋愛感情はなかった。
他の男にも媚を売って、身体を使って男を落とす。
計算高い、強かな女達をよく知っている。
だから、ローはそれとは無縁であろうリンを"知りたい"と思い始めていた。
「…んん…」
リンは目を覚ますと、ローにかけたはずの毛布が、自分にかかっていることに気が付く。
「起きてたんですね、船長さん。」
ローは、ソファーで集中して本を読んでいたので、いきなりかけられたその声に、ビクッと反応した。
「目が覚めたか。お前、夜中に起きて毛布をオレにかけたろ。ありがとな。今夜はちゃんと毛布もう1枚だすから、気にしないで寝ろ。」
リンに背中を向け振り返ることなく、目線を本に向けたまま、言った。
リンはベッドから起き上がり、ローのそばに近づいていく。
「…船長さん…」
肩を叩かれたので振り向くと、ローはリンの格好に驚いて、持っていた本を思わず落としそうになった。
太ももまでの丈になっている自分の服を着ている、女の姿はとても色っぽかった。
「…!お、おまっ…!なんて格好だっ…アイツらが見たら…」
ローは赤くなっている自分の顔を見られないように、慌てて彼女から顔を逸らし大きくため息をついた。
このままの格好で、部屋から出したら大変なことになるだろう、ということは容易に想像ができた。
(この部屋以外でそんな格好するなよ……)
そう思いながら、ローは読んでいた本に栞を挟み、彼女が着れそうな服を探すため、腰をあげた。