第3章 君があまりにも可愛くて
部屋の前で二人は別れた。
「おやすみ、サボ。」
「おやすみ、リラ。」
リラは部屋に入り、ベッドに潜り込んだ。目を閉じるが、なかなか寝付けずにいた。その後、しばらく寝返りを打ったりしてようやく寝付けたものの、深い眠りとまではいかなかった。
サボは部屋に入り、ベッドに横たわった。目を閉じ、食堂でのことを思い出していた。
(18かぁ。18であの美しさはないだろ…今まで見てきた美しい女性たちなんか、比べものにならないよな…)
そんなことを考えているうちに、いつの間にか眠りに落ちていた。
翌朝。サボは、扉を叩くけたたましい音に目を覚ます。
「サーボーくーんー!!!いつまで寝てるの!」
コアラだった。
目を擦りながら、扉をあけた。
「ちょっと、わたしたち出発するのよ?見送りくらい、来なさいよッ!!」
サボの目を覚ますように、コアラはサボの頬を抓った。
「…痛てて…ッ。あぁ、そうだった…今行くよ。」
朝からコアラの声は頭に響く。
このけたたましい音とコアラの甲高い声で、リラは起きてしまうのではないかと気になった。
リラは、あまり眠れずに朝を迎えた。
目を開け、天井を見つめる。いままでと違う天井の様子に、革命軍に来たことを実感する。
(ここに来て、眠れるようになるのかな…今日も眠れないのなら、なんとかしないと…)
身体を起こすと、腕の痛みに顔を歪めた。身体も何となく重たかったが、外の空気を吸いたいと、腰を上げた。
まだコアラも、サボも寝ているのかもしれないと、音を立てないよう部屋を出ていく。
外に出ると、マントを羽織った男が立って空を眺めていた。その男は……
ドラゴンだった。