第11章 静笑
「遅かったなグリーンヒル」
白鳥宮に立つレドモンドが彼に微笑みかけた。
グリーンヒルは椅子に腰掛け、コールから紅茶を受け取った。
「すまん…どうしたんだ急に…」
「レーベはどうだ?…此処に慣れたか?」
レドモンドも椅子に腰掛け、話した。
グリーンヒルはさっきの事を思い出し、少し顔を赤らめながら頷いた。
「副校長が今忙しくてちゃんと歓迎出来なくてすまない、と伝えてくれと。」
「…何故それを俺に?ほ、本人に言えば良いだろう…」
ティーカップを傾けながら、グリーンヒルは言った。
そんな彼にレドモンドはフッと笑ながら…
「いや…今彼は疲れているだろう?…君のおかげでね。」
こう言うとグリーンヒルはむせ返った。
コールが慌ててグリーンヒルにハンカチを手渡すと、彼は受け取って濡れた胸元を拭いた。
「おま…!何処でそれを…!?」
「いいや…部屋の窓から見えてね…大丈夫だ、赤寮の監督生の窓からしか見えない。」
グリーンヒルが顔を赤くしながら睨んだ。
「……こ、ここ…口外するなよ…!」
「ははっ…しないさ……ところで何をどうしてそうなったんだ?」
「聞くな!!!!」
「はいはい…」
そんな様子をコールは聞きながら、ニヤリと笑みを浮かべていた。