第20章 Doll House‐兄と弟‐1
―これは綾が謁見の間にて突き飛ばされる少し前の出来事―
「兄貴のヤツ何処行ったかなぁ~【cradle】へは黒薔薇の従者を待機させたし【Black Garden】の方には使いをやった…後は兄貴に報告するだけなんだけど…」
―俺は兄貴の《仕事》を手伝っていた。別に暇だったし…女は食い飽きたし…隼人さまは兄貴がベッタリだからあんま遊んでくんないし…
でも俺がちゃ~んと《仕事》したら誉めてくれるから大好き🖤
だから早く終わらせて隼人さまに会いに行こう!
(あれっ?綾じゃん!聞いてみよっかな…でもめんどくさい事になってっから…自力で探そ…美人ばっかだけど…やっぱ女ってこっわ~い…なんてねー☆)
謁見の間を通りすぎ角を曲がりかけたトコで兄貴の声がした…
「春輝ッ!!」
「ん?…兄貴みーっけ☆
めっちゃ探したじゃん!ドコにいたんだよ~てか隼人さまは??」
やけにテンションが高い執事見習いと、疲れきった眼差しを弟に向ける領主の執事…
「春輝…言葉遣いに気をつけてください…コレでは皆に示しがつかなッ「んなコトより…兄貴さ!綾助けにいった方がいんじゃね?」
「いきなり何ですか?話をそらそうとしても駄目ですよ。だいたい春輝は、旦那様の事を隼人さまなどと、私も呼びた…コホン…今は《仕事中》なんですから、きちんとケジメをで「わゎ~今は聞きたくない!てかほんとだって!女たちに囲まれて…私が1番だ!とか王族になりたいとか…あと隼人さまの顔が見たいってさ!アイツらすっげぇ~騒いでた。」