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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第30章 映る


「そういえばここに来る途中で見かけたような」

「そうだね」

オルオとペトラにつづいて、マヤも大きくうなずいた。

「そうね、とても美しい白い林だったわ」

「そうだろう? 白樺は樹皮の美しい樹で、村では昔から家具や木工品に加工している」

故郷の樹木を美しいと褒められて、タゾロは嬉しそうだ。

「熟練の匠の品は王都でも評判になって、上流貴族の屋敷に納めたものもあるんだ」

「すごいんですね!」

「すげぇ、貴族に買ってもらえるなんて」

「レイさんとこのミュージアムの…」

ペトラが貴族と聞いて、バルネフェルト家のミュージアムを思い出したらしい。

「ミュージアムのあれなんだっけ? 入ってすぐにあった家具だらけの」

「家具の間… だったかな?」

「そうそう、家具の間だ。そこにあった高級そうなの…、テッペンチップ?」

「デッペンチールよ、確か」

「それそれ! それもいいけど、白い樹の家具も素敵だね」

「そうね、見てみたいなぁ…」

マヤがそう言うやいなやタゾロは大声を出した。

「よし、店に連れてってやる!」

「えっ、いいんですか?」

「もちろん! ペトラもオルオも行くか?」

「はい、ありがとうございます!」

オルオは正直なところ家具に興味などなかったが、ペトラが行く気満々なのを見て考えを変えた。

いつ行こうか、今はリヴァイ兵長の指示待ちだからとわいわいと話し合っているところへ、駐屯兵団本部の建物からベンが足取り軽く出てきた。

「マヤ! 30分後に食堂な!」

「食堂?」

「あぁ、ちゃ~んとリヴァイ兵長に許可もらったから。俺としては肉の美味い馴染みの店にマヤを連れていきたかったんだけど」

「「肉?」」

うまい肉と聞いてペトラとオルオが反射的に訊く。

「ラム肉のステーキに骨付きラム肉の香草マリネ焼き、ラム肉のトマト煮込み…」

ぺらぺらとその行きつけの店のメニューをならべたてるベンをよそに、オルオたちは怪訝そうにささやく。

「……ラム肉ってなんだ?」

「さぁ…、マヤ知ってる?」

「確か…、子羊よ」


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