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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第30章 映る


「俺もマヤと同期だ」

ベンとペトラの間を割るようにして、強引にオルオが自己紹介した。

「そうか。じゃあ君も友達だな、よろしく」

ベンとペトラの握手を引き離して少々… いやかなり感じの悪いオルオにも笑顔で手を差し出すベン。

……なんだ、こいつ。いいヤツなのか…?

オルオは内心でいぶかりながら握手をする。

「オルオだ、よろしく」

オルオの目まぐるしく変化している心の動きに気づいていないマヤは、握手をしている二人を見て微笑んだ。

「ベン、オルオとペトラはリヴァイ班なのよ」

「あのリヴァイ兵長の直属なのか。強いんだな、オルオ」

「まぁな」

すっかり気を良くしたオルオは、最初の警戒心を忘れたらしい。ベンと仲良く肩を並べて歩いている。

「ねぇマヤ…」

駐屯兵団の本部に向かって歩くオルオとベンの背中を見ながら、ペトラが小声で訊いてきた。

「ベンって彼女いるの?」

「知らないけど…。どうしたのよ、急に」

「ほら、言ったでしょ? 神秘の最北の地ユトピア区! そこの駐屯兵との運命の出逢い!忘れたの?」

「……忘れてない」

「きっと彼がその運命よ…!」

興奮のあまりペトラの声が前を歩く二人の耳に届く大きさになってしまったらしい。

気づけばベンとオルオは、思いきりこちらをガン見している。

「あっ…」

さすがに運命の相手だと言っているところを本人に見られて、ペトラは恥ずかしそうにうつむいた。

「ペトラ、恋人を探してるのかい?」

「うん…、まぁ…」

「そうか…。残念だけど、俺はもう彼女がいるんだ」

申し訳なさそうにしているベンの言葉にがっかりして肩を落とすペトラだったが、次の瞬間にはぱあっと顔を輝かせた。

「同期に彼女募集中のやつが何人かいるから、会ってみないか?」

「えっ、いいの?」

「もちろん。君みたいな可愛い子なら、奪い合いになるんじゃないかな」

「………!」

奪い合いなんて言われて、ペトラは舞い上がっている。

「今日の晩メシはどこで食うの?」

「さぁ…。マヤ、わかる?」

「まだ兵長からはなんの指示もないから…」

「だよね」

首をかしげているペトラとマヤを見て、すぐにベンは提案した。

「じゃあリヴァイ兵長に俺から頼んでみるよ。俺たち駐屯兵と調査兵の親睦会を」


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