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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第14章 消えない傷


《アスランside》

「……っ」

これ、どうしよう…

発作の疲れからか眠ってしまったユウコを部屋に残してきてるし早く戻りたい…もし僕が戻る前にユウコが目を覚ましたら、きっと不安になっちゃうはずだ。

………ユウコ?


その時、僕の頭にふっと涙目で紅い顔をしたついさっきのユウコが浮かんできた。


「…っ…ぁ」


手のひらの僕のそれが何故か突然さらに熱を増した気がした。ムズムズという違和感に思わず内股を擦り合わせてしまう。


な、なんだ?
…なんで僕のここ…今…、


戸惑う僕の手のひらがそれを無意識にきゅっと握ると、へその下から込み上げる強烈な尿意に襲われた。

そして、その直後目の奥がチカチカとするような快感が全身に走った。

「…ぁ…うっ!!!」


どろっ


まずい、漏らしてしまった…と急いでそこに目をやると、


「……う、そ」


先端からはゼリー状の白いものが流れ出ていた。

僕はネバネバとする手のひらを眺める


これが…

僕の、


「…………せい、し…?」


こんなところを自分で触って気持ちいいなんて…ましてや精子まで…?僕もアイツらと…同じ…だ。



全身の気だるさに頭がボーッとしてきた。

ぐったりする体に、なにも考えられなくなる。
今の僕はそれに甘えて考えることを放棄した。

そのあと、どれくらいトイレにいたか覚えていない。
けど、気付いたらまだベッドで眠るユウコを少し離れたソファから眺めていた。


「……ユウコ、どうしよう…」


僕…、キミを傷つけたくない

「ほんとうだよ…」

でも、僕の知らない僕がいたんだ

「こわい…」

まだ僕の知らない僕がいたとして

「…いつか、本当に僕が…」

キミを傷つけてしまったら

「どうしよう…」


まるで出口のない迷路にいるみたいだ。



『………ん、』

「…ユウコ?」

『アスラ……ン』

起きたのかな?
いや、でも目は閉じたまま。

眠りながら僕の名前を…?


その瞬間、真っ暗だった心にホワッと明かりが灯った。


「…そう、だよね」

僕はユウコを守るって決めたんだ。
いや、決めてたんだ…ずっと昔から。


知らない自分なんて押さえ付けてみせる。


「…ダイジョウブ」


僕はキミを傷つけない。
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