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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第14章 消えない傷


《アスランside》

僕が体の違和感に唇をバッと離すと、ユウコは一瞬驚いた反応を見せたもののトロンとした目を閉じて僕の胸に寄りかかって眠りについた。

「……っ」


どっちが優先だろう…
僕は焦る頭でグルッと考えを巡らせた結果、ユウコを抱えベッドまで運んだ。

ベッドに寝かせたユウコの顔にかかる綺麗な黒い髪をサラリとよけると、ドクンッとさらに心臓がうるさく動き始めた。


「…はっ…はっ…」

自分でわかる。
僕は今ひどく動揺してる。

背を向けて歩き始めた僕はとある場所へ急いだ。ノブを握る手が震えている。


バタン…

中に入り、閉めたドアに寄りかかる。目の前には、見慣れた便器。


「……っ、」


僕は目線を下げられないでいた。
その理由はひとつ。


自分の体に起きた変化を認めるのが怖かったから。


「……ど、」


どうしよう…っ
怖い、怖い怖い…


「ユウコ…たすけ、て…っ」


無意識に口にしたのはユウコの名前だった。


僕はギュッと目を瞑り、震える手を自分の熱を持ったような感覚がする下半身に伸ばす。


「………っ!!!」


今までトイレやシャワーの時に触れてたものとは明らかに違っていた。やっぱり…少し硬くて腫れてる…。



脳裏にディノの言葉がよみがえる。


ーーここが硬く、大きくなることだよ


「………っ」


ーーアッシュは男の子だからね、ここから精子が出るようになるよ


「…っ…いやだ…よ」


ーー…勃起すれば“セックス”が出来るようになる


「……セッ…」


いやだ、
セックスができる体になんてなりたくない…!


ーーユウコを愛しているなら…おまえはじきにあの子と繋がりたい、ひとつになりたいと願うようになるだろう。…おまえの本能がユウコとセックスをしたい、とね


「…ッ!……ひ、…ぐ……」

喉の奥がツンと刺すように熱を持って、目からは涙がボタボタと流れた。


「っ…お、も……よ」

セックスの苦しみを1番知ってるのは僕だ
そんなこと、僕は絶対に…絶対に…


「…おもわ、ないよ…っ!」
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