ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
私を殺すって…なんで?
「初めて会った日にアッシュのこと好きになった。だから俺はずっと会ったこともないお前のことが大嫌いだった。最初の頃なんて、部屋に残してきたお前のことばっかり心配して俺といるのにチラチラ時計見てさ…でもアッシュに会ってから毎日楽しくて、もう一生人を好きにならないって決めてたのが嘘みたいにどんどん好きになって……そんな幸せをまたメスに壊されるかもって思ったら狂いそうだった……俺、人間のメスが大っ嫌いなんだよ」
表情や話し方、声色がコロコロと変わってどれが本当のクリスなのか分からなかった。
「ふふふ…でも、お前はあのメスと違って可哀想だよ。だって、アッシュが「僕とユウコはセックスなんかしない」って…っはは!セックスしないって宣言されたってことはお前は一生アッシュに愛してもらえないってことだもんね!…せっかくメスとして生まれたのに好きな人に抱いてもらえないなんて…ほんと、可哀想」
セックスは痛いこと…苦しいこと…
それは無理やりにされるアスランを目の前で見てきて嫌という程知っている。それなのにクリスはどうしてセックス出来ないのが可哀想だなんて言うの?
「…お前、アッシュのを咥えたことある?」
『……なにを?』
「何をって…笑わせんなよ、コレだよ」
クリスは私の手を自分の下腹部に触れさせた。
『…っ!…』
「なに今更そんな可愛い反応してるわけ?…俺は知ってるんだよ、お前が今まで男に跨ったあとに何をしてきたか……あの挨拶やこうやって膝に乗るのは俺がパパに教わったのと同じなんだから」
そう言えば今までに会った何人かがクリスの話をしていた気がする…。
「で、どうなの?」
『…な、い』
「…ってことは本当にアッシュはお前のことを性的に利用するつもりがないんだ。それならなんでこんなの飼ってるんだろう…近くに置くなら俺みたいに綺麗なのにすればいいのに。こんなに髪も瞳も真っ黒で不気味なヤツ飼うなんてさ…この髪って伸ばしてんの?」
『痛っ…ゃだ』
「アッシュにあんなふうに撫でられて…」
『ぁ、はな…してっ』
「ねえさっきからそういうのってワザとなの?…加虐心煽るみたいな。ムカつく…接客中の自分見てるみたいでイライラするよ…アッシュに守りたいって言わせたり……俺もメスに生まれてたら…アッシュにああいう風に言ってもらえた…?」
